RUN for UTMB®︎あるいは僕の、走ることについて語るときに僕の語ること。

2018年UTMB®リタイアからはじまる50代トレイルランナーの挑戦記。

4月23日(火)薬局で完走セットを見繕う。スタート前、最後の鍼。

僕の毎朝の日課は、園の前面道路からファサード、エントランス、トイレ、縁側を掃除すること。家人(園長)は、路地の掃き掃除担当。その掃き掃除係から、UTMF出場することに緊張するかと問われる。「緊張はしないけど、ナーバスにはなるな」と答える。

何しろ若い頃と違って、毎レースふらふらになるほど限界に達し、その挙げ句のリタイヤの連続である。他人から見れば、何が楽しくてそこまでストイックになるのかと、よく問われる。でも、僕自身は、まったくじぶんをストイックだと思わない(むしろ怠け者だと思う)。実際、練習計画、食事制限、ボディメンテナンスなどを徹底的にマネジメントしているトレイルランナーは多くいる。じぶんはまったくそこまでできない。今夜もレース3日前だというのに、スパークリングワインをボトルで注文し、夜ご飯を行きつけのワインバーで家人と二人で食べている。やれやれ。

昨夜は、赤ワイン2杯に留めたせいで、23時にふとんに入ったのに1時まで眠れなかった。おかげでSpotifyでたくさんの楽曲をダウンロードし、プレイリストを作れた。UTMFではイヤホン禁止なので、好きな音楽をイヤホンで聴けるのはスタートまで。それは従うしか無い。願わくば、真夜中の天子山地を音楽でプッシュしたかったのだが。

夕方、最後のメンテナンスで鍼へ。右臀部のしこり(痛み)も、ほぼこれで抜ける。練習不足ではあるけれど、これで疲労は最大限に抜けた状態にできる。フィジカルの準備は、これで悔いはない。

あとは、レース前日は眠れないので睡眠改善薬を買いに薬局へ。悪の元凶である胃のためには、主治医から薬はもらっているが、その薬は最終手段にして、そこまでの予防に漢方で胃をプロテクトしておこうと思いたち六君子湯を選択。同じ棚に足攣りに備える芍薬甘草湯もあったので購入。じぶん自身が持っているランナーの美学的には、薬やテーピングに一切頼らないという理想がある。しかし、ここに来てもはやそれも限界だ。ここまで失敗を繰り返していれば、もう恥も外聞もない。なりふり構わず、ただ完走のために、できることはすべてやっておくという考えにシフトした。一昔前なら、もう定年の齢である。人生そう格好良くは行かない。いまのじぶんを素直に受け入れて、目的のためには手段を選ばず、と実利をねらってしまう。情けないけどね。
そうして泥臭くフィニッシュラインを目指すことが、いまの僕には必要な経験なのだろうと、いまは納得している。

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