目覚めて時計を見たら6時55分。恒例の初日の出ランニングの3km先の初日の出スポットに間に合わない時間だ。いつも一緒に行っていた家族も今年は行かないという。
ダッシュをかけるが息が上がってペースは上がらない。東の空は晴れて、ちぎれた綿雲がサーモンピンクに染まる。橋の上の朝日待ちの人たちの間をすりぬけると、ビルの間から眩しい光が見えた。
河川敷に降りて目的の場所まで走り着き、御来光へ向けて勤行。ぎりぎり朝日と言える日の出に間に合い、今年も無事いつものスタートとなった。まあ、無事にスタートを切れたからと言って平穏無事な一年となる保障は何もない。去年がそうであったように。
そうだ、一年の計は元旦にあるというから、2018年のランニングサマリーを記しておこう。
回数169回。時間308時間24分。距離2,053km。獲得標高72,228m。レース3本。50km、70kmは完走。100マイルは84kmでリタイア。距離は近年では多いほうだと思うが、ずいぶん控え目に言ってもじぶんはランナーだ、と胸を張れるほどではない。小声でぼそぼそとでもそう言えるようになったのは、もちろんUTMB®︎リタイア以降である。
2007年にランニングを再開してからは、実に不真面目なランナーであったと、今思えばふりかえることができる。トライアスロンをしていた頃のじぶんに対して、なんというか引け目のような感情ーあるいはある種の自虐的なーがあったとも言える。つまり、歳をとって体力が衰え、あの頃のようなパフォーマンスはもう望めないのだと思い知らされた結果、いい加減にしか走ってこなかったということだ。そんな練習でもUTMFを完走し、さらにCCC®︎を完走してしまったため、そのままでもいいのだと甘えてしまっていたことが不甲斐ない。
実際UTMB®︎以降、練習を朝から夜に変え、質量ともに高めると、2カ月でわずかながらもかつてのような感覚が戻って来ることがわかった。これは予想外の出来事だ。追い込んだ練習など、もうできないと諦めていたが、やればできることがわかった。そんな練習を続けていくと、明らかに毎日の充実感が違うことに気づいた。生活のステージが移行したという実感がある。こうした期待していなかった変化の訪れはうれしい誤算だった。
最近は新しい生活リズムを維持する努力も苦にならなくなり、大げさに言えばじぶんを再起動させることに成功したと確信できるまでになれた。この環境を再構築できたことに感謝したい(言うまでもなく一番は家族に)。
初日の出ランから帰宅後は、初風呂に浸かり、わが家の神棚にあらためて勤行し、家人が予約した洋風おせちをいただく。
その後も毎年のルーティン。親戚との新年会を済ませて野沢温泉に向けて出発。道中は雪もなく午後9時前にいつもの宿に到着。買い物をして風呂に入り、ご当地ワインを飲んで寝た。