RUN for UTMB®︎あるいは僕の、走ることについて語るときに僕の語ること。

2018年UTMB®リタイアからはじまる50代トレイルランナーの挑戦記。

UTMF2022参戦記  テールエンダーから見たUTMF #5 U2〜U4

U3本栖湖までは2時間20分の予定。約10kmで400mの標高をひとつ上るだけの足慣らし区間だ。気温がぐっと下がってきた。フーディニを着こむ。
ふもとっぱらキャンプ場を過ぎ、最初の長い上りが始まる。ここまで胃の不調は起きていないが、いつもはだいたい80kmくらいから具合が悪くなってくる。胃の調子を気にしながら恐る恐るパワーウォークなどせず、ゆっくりと坦々と上る。80kmを過ぎても胃はまだおとなしくしてくれている。このまま行ってくれと願いながら本栖湖到着。予定より12分遅いがまだまだ余裕がある。焦る必要はない。本栖湖では水のみの補給。この区間は寒さもあり汗もあまりかかなかったため700mlしか飲まなかった。

U4精進湖は前回2019年にリタイアした場所だが、ルートが変わっているため疲労度は全然違う。最初の上り中之倉ピークを越えるあたりから胃に違和感を覚えるようになってきた。スタートから10時間が経過している。まだそれほど痛みや吐き気は強くないためペースは落とさずに進むことはできる。ただ眠気が出てきた。精進湖は唯一体育館で眠れる場所なので、少しは寝ようと思うがスペースが無いかもしれない。ダメージを受けない心の準備はしておこう。

パノラマ台に上がると漆黒の夜に富士山が影絵のシルエットになってくっきりと浮かび上がっていた。写真を撮っているランナーも多かったが、僕のiPhoneではきれいに撮るのは無理だった。夜が明ける頃、精進湖に到着。入り口付近のトイレに長い列ができていたが、僕はとりあえず体育館の様子を知りたかった。スタッフに促されて中に入ると、一人用のマットがないスペースに寝転んでいる人もいた。どこで寝ようかと思案していると、ちょうど一人が出ていく準備を始めた。すかさずそのスペースに滑り込み、靴を脱ぎエマージェンシーヴィビイを広げて中に潜って眠った。時刻は5時10分。コロナ対策で1時間だけ仮眠が許される。スタッフが「5時半でーす!」と大声で目覚ましコールをしてくれたとき、思わず自分も出なくちゃいけないのか?と焦ったがそうではない。30分ごとにコールしてくれているらしい。そうとわかって安心して眠り、6時のコールで起きて6時10分には体育館を出た。トイレの長蛇は解消されていたのでゆっくりと用を足し、ちょっと腹がすっきりした。

外のテントで補給をしようと思い、おもてなし食のぞうすいをいただく。ところが胃が拒む。申し訳なく思いながら3クチ食べてあとは残した。その代わりに水を飲めるだけ飲む。フラスクに水を満タンにしてエイドを出発。胃は不穏な感じではあるが走りにはそれほど影響なさそう。だましだまし行くしかない。

次はドロップバッグのある富士急ハイランド。22km、約5時間の長い道のり。幸い天気は良さそうで、気持ちのいい道のりになりそうだ。