RUN for UTMB®︎あるいは僕の、走ることについて語るときに僕の語ること。

2018年UTMB®リタイアからはじまる50代トレイルランナーの挑戦記。

筋肉は覚えの良い使役動物に似ている。

使役動物とは、端的に言えば「人の利益のために働かされる動物」のことだろう。自己の筋肉を、自己の「思念の奴隷」となって働かされる「生きモノ」として対象化する作家の想像力に脱帽する。

 

確かに、筋肉(肉体)は、(想念的な)「自己」とは相容れない関係にある。そのことは、ウルトラトレイルレースでリタイアした経験のある誰もが知っている。リタイアするのは自己決定ではあるが、その決定(意思に反して)は、多くの場合「筋肉(肉体)」の要請に屈するから、という意味で。

 

そう考えると肉体は、それ独自に「一個の」人格を持っていると言えるのかもしれない。